先進医療は本当に必要なのか?
少し前までは盛んにTVCMで先進医療の話をしていました。そのCMを見て先進医療という言葉を
初めて聞いた方もいると思います。
保障が1000万や2000万までと聞くと、加入しないと万が一ガンにかかったときに困るのではないか?
ガン保険に先進医療が付いていないとダメというイメージを持った方も多いでしょう。
それでは最初に先進医療について説明します。
先進医療とは?
大学病院などで研究、開発された最新医療技術のうち、安全性と治療効果が確認され、将来的に
保険診療へ導入を評価されるものとして、厚生労働大臣が認めた医療技術を『先進医療』といい、
実施する医療機関は定められている。
先進医療を受けた場合の費用は、患者さんの全額自費負担になります。
先進医療にかかる費用
現在、厚生労働省に定められた先進医療は93種類。その中でも高額なのが「重粒子線治療」、
「陽子線治療」が高額医療費のトップ2です。
重粒子線治療 300万
陽子線治療 280万
重粒子線治療は1回治療費を払うと完治するまで何度でも受けられるので、1000万になることはありません。他の先進医療は数万から数十万で受けられます。
ガン保険の先進医療はガンの治療しか給付されません.(ガン以外の先進医療は給付されない。)
先進医療の現状
平成21年〜平成22年の1年間に、重粒子線治療を受けた患者は729人。陽子線治療を受けた患者は
1225人です。(厚生労働省「平成22年度先進医療実施報告」)
思ったより先進医療の治療を受けた患者が少ない、そう思われた方も多いでしょう。それは治療を受けられる病院がまだ少ないからです。
重粒子線治療を行うには、巨大な設備が必要になり120億と高額なので、実施できる病院は全国でも3ヶ所しかありません。陽子線治療は5ヶ所。
高額な先進医療は実施病院が少なく、治療を受ける患者も少ないということです。さらに、治療対象になるガンも限定され、消化器系のガンやすでに全身に転移している場合は対象外。また、同じ病気で過去に放射線治療を受けている場合は治療できません。
保険料は100円前後ですが、今回の話を踏まえて検討する余地はあると思います。